【見守り&ロボット】一家に一台を目指すIoTロボット

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プロフィール

青木 俊介 代表取締役社長
ユカイ工学 CEOaoki20130714_1000_720

2001年東京大学在学中に、チームラボを設立、CTOに就任。
その後、ピクシブのCTOを務めたのち、ロボティクスベンチャー「ユカイ工学」を設立。
2015年7月より、家族をつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO」を発売、2015年度グッドデザイン賞を受賞
他にもソーシャルロボット「ココナッチ」、脳波で動く猫耳「Necomimi」、
フィジカルコンピューティングキット「konashi」など
IoT(モノのインターネット)デバイスの製品化を数多く手がける。

「鍵っ子」だった青木代表

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映画「ターミネーター2」に出てくるエンジニアが、
AI(人工頭脳)を開発したシーンに興味を持った青木代表はロボットを創り、
「家庭に普及させる事」を目標にチームラボでの経験を活かし、
ユカイ工学株式会社を設立。

取材中、終始笑顔で対応してくださる青木代表は、小さい頃「鍵っ子」だったとのこと。
「鍵っ子」だった時の寂しさや不安を自分の子供や共働きのお子さんにはさせたくない。
という思いからメッセージ機能を持ったロボットの開発に踏み切ったという。

総務省労働力調査で、日本家庭の59%が共働きの環境である事がわかっており、
年々共働きの家庭は増加、「鍵っ子」もそれに伴い増えている。

青木代表が目標にしているロボットを「家庭に普及させる事」ができれば、
「鍵っ子」問題を解決できるだけではなく、
ロボットをインターフェースとして、家族間のコミュニケーションの活性化や生活水準を上げる事も可能。

2015年7月に販売が開始された、コミュニケーションロボット「BOCCO」
ユカイ工学が独自に開発した、スマートフォンアプリと連動させて、
家族の一員になる事ができた「人にやさしいロボット」。

主な機能はテキストと音声の送受信を利用して、家族のコミュニケーションを活性化させることや、
ドアセンサーでドアの開閉をお知らせして家族の帰宅をお知らせすること。

また、BOCCOはお腹にある「再生」と「録音」の2つのボタンを利用して、
メッセージの送受信をすることができたり、ドアセンサーを利用し、
家族の帰宅を知らせることもできたりするため、子供~高齢者まで幅広く簡単に利用できる。

BOCCOはこうした機能を利用して、
少子高齢化社会の日本の問題を解決させるために生まれたキーとなるロボットである。

座敷童=BOCCO!? 愛着が沸くヒミツ!

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「BOCCOは座敷童だ。」
青木代表から”裏”コンセプトとして教えていただいた。

座敷童は見たものに富や良縁をもたらす幸運の精霊である。
BOCCOも座敷童のように家族に幸運をもたらす存在になってほしいとのこと。

実際にBOCCOの利用者からは、
「BOCCOがいるだけで家の中が明るくなった。」
「いつも友達とBOCCOで遊んでいる。」
「見てるだけなのに何故か癒される。」 など
多くの嬉しいお声をいただいている。

利用者の声で特に気になる声は「見てるだけなのに何故か癒される。」という点である。
「癒し」という感覚は人によって感じるものが異なってくるが、
人形などキャラクター性を持ったものに感じる人が多いように思う。

BOCCOに「癒し」を感じるということは、BOCCOをただの機械として見ているのではなく、
人形などのキャラクターとして愛着を持って、見ているという事である。

BOCCOに「癒し」を感じる理由はゆらゆら動く首や3頭身の見た目はもちろん、一番は「表情」にある。
BOCCOは”口”が無い為、人によって笑って見えたり、驚いて見えたりと色々な見方ができる。

こういった「表情」が見えるという部分が
コミュニケーションロボットである特徴であり、愛着が沸く理由になる。

また、従来のロボットは家の中でどう利用するか明確な基準が無い。
その為、BOCCOのようなロボットは「おもちゃ」として認識されることが多く、
「遊んだら片づけて」と奥様から言われることもあったとのこと。

この事から、青木代表はBOCCOを利用する明確な基準として女性に支持されるように、
インテリアとしても利用でき、子供に好かれるようなデザインにこだわり、
今のBOCCOになったという。

新しい事に挑戦する為の3つの課題

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「コスト削減」「強度」「周りの理解」

この3つはロボットを開発する上で必ずついてくる課題である。
ロボット業界はまだまだ新しい業界である為、周りから理解や信用を得ることが非常に難しい。

周りからの理解や信用を得ることができないと、開発に必要な「資金」を集めることが難しくなり、
目標の物を作るためには、コストを削減しないといけなくなる。

また、BOCCOのようなロボットは子供が利用する事が多い為、
多少落としたり引っ張ったりしても壊れない強度も必要になってくる。
このようにロボットを開発するためには、多くの課題を背負わないといけない。

特に「周りの理解」を得るという部分が最大の課題になる。
新しい事を始める時は、実績や人脈が少ないことが当たり前な為、
良いロボットを開発できても世の中に出すことは難しい。
この段階で必要な事は、開発者の「志」を一人でも多く伝えていくことである。

これからロボットを開発する技術者は、
こうした課題をクリアするための施策や考えを持ってロボット開発を進めることで、
ユカイ工学のようにロボット業界を盛り上げたり、生活を豊かにするロボット企業が日本中に広がる。

青木代表はこの3つの課題を解決するために、
「まず形にしてから考える」事を社員一同徹底したとのこと。
実際に形が無い状態でイメージだけのままで止まっていても前に進まないことが多い。
まずはやりたい事を形にしてから売り方などを考えるようにしたところ、
BOCCO等の面白いロボットが制作できた。

青木代表は、これからロボット事業に携わる方には
是非「まず形にしてから考える」事を実践してほしいとのこと。

これからのユカイ工学

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これまでのBOCCOはWi-Fi環境が無いとネットワークに接続することができなかったが、
Wi-Fi環境が無くても利用できるように、現在SIM版のBOCCOを開発しているとのこと。

SIM版BOCCOが完成すると、地方でWi-Fi環境が設置できていない家庭や、高齢者も利用しやすくなり、
更に家庭にロボットが浸透していく。

また、青木代表は10年以内に全ての家庭でロボットが利用される環境を作るために、
世の中にセンサーを増やしたり、IoTデバイスを増やしたりしたいとのこと。
センサーやIoTデバイスが増えれば、必然とロボットが利用される。

ロボットは人と機械を繋ぐインターフェースでもあるため、
家や街中にネットワークが広がれば広がるほど、ロボットが活躍する場所も増えていき、
一家に一台ロボットがある未来に近づいていく。

今後、BOCCOのような音声でのやりとりができ、
ネットワークに繋がるロボットがアナタの横で活躍する未来が近い。

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紹介 廣井 健人(ひろい けんと)

ロボットの『当たり前化』を実現させたい。 数年前、スマホは真新しいものでしたが、今ではあって当たり前になっています。 ロボットもスマホのように、身近にあって当たり前になるように、 ロボットを開発している方々と協力し合って、ロボット利活用社会を創っていきたい。

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