【ゲーム&ロボット】ゲームの面白さを取り入れたロボット

プロフィール

星野 建二(Hoshino Kenji)氏
株式会社セガ 未来研究開発部 ゼネラルマネージャー を経て、
現在は、マイクロスター株式会社 代表取締役

国際ロボット展への出展や工作体験教室の開催を通して、
「面白い」「感動」「WOW!(ワオ!)」の要素を子供達に広げている。

▼開発実績
・カード式体験アトラクション
「カードで学ぼう~ロボット科学~ヒューマノイド・ロボチャンプ」
・ペーパークラフト(歩くロボット)
・ロボット共通インターフェイス「SimROBOT」

ゲームから始まった道


星野氏はゲーム業界出身。ひと昔前に大流行していた、
インベーダーゲーム等のビデオゲームやスタンプ倶楽部等を創っていた。

ゲームを創る上で欠かせないのが「面白い」という気持ちである。
ゲームをする人が「面白い」と思えなければ、ゲームではない。

星野氏はビデオゲームやスタンプ倶楽部を創る中で、
この「面白い」という感性が自然と身に付いていた。

そんな中、第一次ロボットブームが到来し、ロボットが脚光を浴びだした。

この時期、星野氏はロボットに興味を持ちながらも、
当時のロボットに「面白い」を感じなかったという。

また、当時のロボットは今と比較にならない程、
技術的にもコスト的にも創る事が難しかった為、
スタートアップ企業が生まれにくかった。

案の定、第一次ロボットブームは衰退した。

この時、星野氏は「ゲームの要素」をロボットに持ち込み、
「面白い」ロボットをみんなが作れる「環境」を創りたいと考え、
所属していたゲーム会社でゲームロボットに力を入れ始めた。

その1 エデュテインメント


カード式体験アトラクション「ロボチャンプ」は、
エデュテインメントマシンである。

エデュテインメントとは、教育(education)と娯楽(entertainment)
を合成した言葉。

人型ロボットをテーマに、ゲームが持つ「面白い」「感動」「WOW!」の要素を用い、
子供たちが自然にロボットに親しみを持てるような構成の教育指向ゲームである。

使用するカードには、サーボモータやバッテリー等の部品の絵や説明が入っており、
ロボット組立時に使うカードによってロボットの性能が変わる仕組みになっている。

部品のカードを使用する事で、部品の名前だけではなく性能を覚える事ができ、
将来ロボット等の科学技術に携わる子供たちは遊びながら
自然と楽しんで勉強する事ができる。

インタビューを行う際も、
まずは「面白い」を感じさせる為に私にゲームをさせてくれた。

星野氏「御社の会社の名前を大会名にしましょう!アンドロボティクス杯・・・」
私  「WOW!」
星野氏「ゴールが出来たら認定証をお渡ししますよ!」
私  「WOW! 欲しいぃぃぃぃぃぃ!」

このようなやり取りで、インタビューをした私も、
インタビュー開始30分で星野氏の「ロボットで楽しもう!」
の中に引き込まれていた。

こうしてロボット等の科学技術に興味を持つ子供たちが、
ゆくゆくは日本を支える技術者になり、日本全体で技術力が向上していくと考えている。

その2 ハイテク化orローテク化


今、世の中にあるロボットは、
自立制御や音声認識等の機能が搭載されているものが多く、
高度な技術いわゆるハイテク(High-Technologyの略)が用いられる。
しかし、今のハイテクだけで「面白い」が実現できるのか?と、星野氏は言う。

ロボットの話でしばしば「鉄腕アトム」が話題になります。
人間と同じような感性を持ち、人間以上の身体能力を持つアトムですが、
今のハイテクで、アトムが作れるのでしょうか?

答えは、否です。 これが実現されるには、
AI技術やセンサーモーターシステムの格段の進化が求められるし、
まだまだ時間もかかるでしょう。

そこで星野氏は「逆転の発想」でハイテクではなくローテク(Low-Technologyの略)の
面白ロボットの製作に取り組んだ。

モーターや電池を使わないで、楽しめる動くロボット。
そこからペーパークラフトを用いたロボットが生まれた。

星野氏が考えるロボットは子供が作って楽しみ、動かして喜び、褒めてあげる要素が必要。
ローテクにはその要素を組み込みやすい。

褒めることでもう一度チャレンジしよう!だったり、
ロボットをもっと知りたい!など感じてもらえるキッカケになる。

案の定、ペーパークラフトで作った「歩くロボット」は、
展示会に出展すると子供たちに大人気となった。

星野氏はまずはローテクのロボットから「面白い」を広げていき、
ハイテクなロボットが、もっと社会に認知されるように進めていく。

その3 共通のインターフェイス


昔も今も変わらない事が一つある。
それは「ロボットに触れる事ができる環境が少ない」こと。

例えば、グラフィックスデザインに携わる人には
「フォトショップ」「イラストレータ」等の共通のインターフェイスがあり、
多くの人が共有している。

ロボットでも、アイデアや知恵を形にする時、共通のインターフェイスがあると、
より多くの人たちが参加できるようになり、よりよいものは生まれ、創発が生じやすくなる。

ゲームの初期(1970年代)は、
もちろんゲームの共通のインターフェイスはなく、手探りで作られていた。

少人数で作るので、制作本数も少なかった。
しかし、現在のゲームは人知れず多くのゲームが創られ、面白いものも多い。
これはゲームの共通インターフェイスが確立し、
多くの多様な人たちがゲーム創りに参加できるようになったといって過言ではない。

星野氏はゲームと同じように、
多くの多様な人たちがロボットに「触れる」機会を与える環境を作る為、
共通インターフェイス(オーサリングシステム)創りに力を入れている。

技術的な難題もまだまだあるが、
すでに数種類のロボットを動かす共通インターフェイス「SimROBOT」を構築している。
今後は数十台、数百台のロボットを動かすインターフェイスを少しずつ創ってゆきたい。

「ロボットを創りたい」「アイデアを形にしたい」といった
これからロボットに携わる人達が簡単に利用できる環境を創っていく。

数年後、アナタの近くで動くロボットの中に
星野氏が創ったシステムが当たり前のように導入されている。
それを使って楽しんでいる子供達、大人達がいるかもしれない。

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紹介 廣井 健人(ひろい けんと)

ロボットの『当たり前化』を実現させたい。 数年前、スマホは真新しいものでしたが、今ではあって当たり前になっています。 ロボットもスマホのように、身近にあって当たり前になるように、 ロボットを開発している方々と協力し合って、ロボット利活用社会を創っていきたい。

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