【変形&ロボット】未来の日常を今創っている会社

プロフィール

岩佐 琢磨 (IWASA TAKUMA)氏
株式会社Cerevo 代表取締役

「ネット×家電」の商品開発を志し、
2003年、松下電器産業(現パナソニック)入社

2008年 ハードウエアベンチャー・株式会社Cerevoを設立
ネットとソフトとハードを融合させた、ユニークな製品企画・開発・販売をスタート

2016年 プロジェクタ搭載の可変型ホームロボット「Tipron(ティプロン)」や、
2017年 音声認識機能を搭載、変型機構を備えた
ロボット・デスクライト「Lumigent」等を発表し、注目を浴びている。

はじまりはインターネットだった


0から1を創り出す事が好きだという岩佐氏は、
学生時代からインターネットに魅力を感じていた。

2002年頃、スマートフォンやパソコン等が
世の中に今ほど浸透していない時期から、
身の回りの物がインターネットに繋がるのが面白いと感じていた。

大学卒業後にパナソニックに入社した岩佐氏は、
ネットワーク家電の商品開発に関わり、
デジタルカメラやレコーダーの開発に携わっていた。

その後、より自由にユニークでニッチな製品を創りたい、
大手企業に所属していてはできない事をしたいと考え、
パナソニックを退社し、起業に踏み切った。

この頃、組み込み用のオープンソース・ソフトウェアを使える環境が
整い始めており、それまでより早く・安く製品を開発できるようになっていた。

起業時、周りの環境も追い風になり、2008年5月頃から株式会社Cerevoで、
本格的に事業をスタートさせた。

事業をスタートさせて初めて創った製品が、
無線LANを搭載したデジタルカメラだった。

その後、20製品ほど開発を行い、2016年12月9日に
プロジェクターを搭載した変形型ホームロボット「Tipron(ティプロン)」
の販売を開始した。

Tipron(ティプロン)


Tipronは「宅内のあらゆる壁や床、天井をディスプレイに変える」を
コンセプトとして開発されたプロジェクターが搭載された、
「変形型」のホームロボットである。

今まで開発してきた自社製品は、遅くても1年ほどで開発してきた実績があるが、
Tipronに関しては1年半ほどかかった。

1年半の開発期間をかけたTipronだが、始まりは簡単だった。
単純に「おもしろいかなっと」思ったという。

「スマホ触るの面倒じゃない?」
「朝起きたら勝手にニュースや天気予報がでてたら楽じゃない?」
「掃除機が勝手に走ったら楽しいよね」

スマートフォンは今では一人一台持っている時代だが、
スマートフォンで得ている情報を「触らない」「操作しない」で
簡単に得る事ができたらどうだろう。

単純に面白くはないだろうか。

岩佐氏は常日頃から、「これってこんな使い方があるよね」
「あんな使い方もあるよね」「とりあえず物を出してみよう」
からモノ創りを始める。

現状、一家に一台ロボットが利用される事は少ないが、
「家電」という認識を持ちつつ、テレビや掃除機が家にあるような感覚で、
Tipronが活躍する未来を探っていく。

変形機構


Tipronの一番の売りは「大きなプロジェクター」を取り入れている事である。

通常、「大きい」「重い」物をロボット等に取り付ける場合、
重心が下になるように取り付ける。

これはバランスをとる上で必然の事。

しかしながら、Tipronのプロジエクターは頭の部分に付いている為、
重心が上になっている。

この仕様だと通常はバランスがとれず、倒れてしまうが、
Tipronに「変形」する機能を組み込む事で、バランスをとる事に成功している。

また、変形機構によってTipronが人間のように見えるという声もあるという。

例えば、家に帰った際にTipronがいれば、
「ただいま」と言いたくなるような感情が生まれたり、
ドッキングステーション(充電機)にいる時に、
寝ているように感じたりすることもできるという。

また、Tipronは「変形機構」の他にも「自立走行」する事もできる為、
時間と場所とコンテンツを一度指定するだけで、
後は勝手に動いて生活を支援してくれる。

ただ、この「自立走行」がTipronを開発する上で一番難しかった。

場所や時間を覚えて、自立して動くソフトの開発が難しく、
何度も試行錯誤した結果、複数のセンサーを制御する事で実現した。

株式会社Cerevoでは「ロボットの要素を備えた」製品の開発を2016年から始めており、
その第一弾となったのがTipronである。

Tipronの開発をきっかけにして、「家電」や「ロボット」に限定せず、
インターネットの繋がる製品の開発を進めていく。

世の中に無いモノを創っていこう


「何かを創っていくと決めない」「創るモノを決めない」

今後、技術が進歩していくと今あるモノが無くなったり、
新しいモノが生み出されたりする。

その為、岩佐氏は「創るモノを決めない」という。

現状、インターネットに繋がっているモノはまだまだ少ない。
という事は、インターネットに繋がる可能性がある製品が山のようにあるという事。

創るモノを決めていないからこそ、身近なモノから可能性が広がり、
世の中に無いもののアイデアを出すことができる。

実際に2016年は他企業とのマッチアップで、
アニメに出ていたロボットの製作も行えていた。

インターネットに繋がる様々な製品を開発している岩佐氏だが、
究極の形は映画「マトリックス」のように、
人も機械に繋がる世界だという。

現状、インターネットが人間に繋がることは現実味がないと感じると思うが、
「ハーフボーグ」の世界は近くまできている。

例えば身近なところだと、メガネ・スマートフォン・義手などは、
既にハーフボーグに近いモノである。

メガネはかけるだけで視力が良くなり、遠くまで見る事ができる。
冷静に考えれば、すごい事だと思わないだろうか。

スマートフォンは、自身が忘れている情報や知らない情報を、
簡単に引き出して利用する事ができる。

義手に関して言えば、本来の力で持つ事ができない重さの物も
義手を着けることで持つことができる。

このように、今までハンデに思われてきたことが、
ハーフボーグに近づく道になっており、
人の力を機械の力で向上させられる現実がある。

近い将来、アナタ自身がロボットになっており、
脳がインターネットに繋がっている人になっているかもしれない。

岩佐氏はこれからも「世の中に無いモノ」を創り、
未来の日常を「今」創っている。

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紹介 廣井 健人(ひろい けんと)

ロボットの『当たり前化』を実現させたい。 数年前、スマホは真新しいものでしたが、今ではあって当たり前になっています。 ロボットもスマホのように、身近にあって当たり前になるように、 ロボットを開発している方々と協力し合って、ロボット利活用社会を創っていきたい。

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