プロフィール

岡本 正行(Okamoto Masayuki)

株式会社MANOI企画代表取締役
ロボットゆうえんち代表
神奈川工科大学客員教授
社団法人二足歩行ロボット協会/ROBO-ONE理事
MANOIシリーズ開発責任者
ハウステンボス/ロボットの館:監修

KYOSHO在籍時に同社MANOIシリーズを作った事をキッカケに、
ロボットを専門に扱う株式会社MANOI企画を設立して独立。
現在は各種ロボットの総合プロデューサーとしての活動をしながら、
ロボット業界の大道芸人として、
子供達にモノ作りや科学の楽しさを伝える目的で『ロボットゆうえんち』を設立。

【TV出演】
笑っていいとも、あっぱれさんま先生、スッキリ、トクダネ、めざましTV
変ラボ、土曜プレミアム、ひるどき日本列島、他多数

【開発ロボット】
トーリロボ(ロッテ)、MANOIシリーズ、ロボくまモン、ロボットドアラ
M1号(ガキの使いじゃあらへんで)、めざロボ(めざましTV)、プリメイドAI
ハウステンボス/変なレストラン店長ロボ&案内ロボ、他

ロボット界の大道芸人

「子供達にモノ作りや科学の楽しさを伝えたい」と満面の笑みで話してくれた岡本代表。

岡本代表がロボットに興味を持ったキッカケは、子供の頃に大阪万博に出ていた相澤ロボットを見て「すげー」と感動してからだという。

相澤ロボットは国内に11体しか現存していない。

昭和時代のロボットのイメージとして人々の間に定着している相澤ロボットはアンテナのついた四角い頭に、大きな円いライトの目、ブリキのロボットがそのまま大きくなったようなスタイルに、原色系の赤や青によるサイケなカラーリング。

ロボットが持つ可能性や楽しさを大好きな子供達に広めたいという想いから、岡本代表は地元の玩具メーカーに就職し、倉庫管理・工場勤務・営業を経て、30代でラジオコントロールモデルの部品を手がける独立採算部門の責任者になった。

その後、ロボットの開発部門が立ち上がるとリーダーを兼任し、二足歩行ロボット「MANOI」を創る。

「MANOI」は4000台製造して完売。
予想していなかった完売にとても驚いたという。

「MANOI」はジャイロセンサーを搭載している為、自らバランス補正を行うことが可能。
歩行はもちろんダンスなどの激しい動きも可能だが、もし倒れた場合でも自力で起き上がることができる。

また、動力にはリチウムポリマーバッテリーを用意し、電圧・電流・温度を監視するセンサーも備えることで安全性を高めており、動作によっては1時間ほど動き続けるという。

岡本代表はMANOI等の開発したロボットを利用して、「大道芸人」として笑顔を広めていきたいという。

ロボットの可能性

「ガンダムは乗り物」

日本ではガンダムと聞くと即座にロボットだと答えるだろう。
しかし海外では、ガンダムは乗り物だと認識されているという。

Pepperやロボホンといったロボットは自立して動く為ロボットだといえるが、ガンダムは車や電車のように人が搭乗して動かす為、乗り物だという。

また日本ではロボットと聞くとドラえもんのような二足歩行ロボットを想像する事が多いと思うが、海外では特に二足歩行のロボットにこだわりは無いという。

このようにロボットの概念は人や国によっても変わるので、今後、ロボット産業が発展していく中で新しい概念が生まれる可能性も十分考えられる。

また、日本でロボットを利用する目的で考えられる事が多いのが、「介護分野にロボットを導入したい」という想いである。

少子高齢化社会である日本では介護分野にロボットを導入する事が重要視されているが、現状のロボット産業の動きを見ると力を入れすぎだと感じる。

現状のロボットを導入した介護分野は、車椅子が開発されていないのに、電動車椅子を開発しようとしているみたいなもの。

基盤も無いのに、段階をとばして介護分野にロボットを導入しているように感じる。

まずは健常者が問題無いと感じる事や物から順序立てて進めていき、基盤を創っていきたい。

順序立てて進めていく事で、介護を必要とする人達にとって本当に役立つロボットが生まれる。

ロボットが活躍できる環境が少なすぎる

岡本代表は2020年のオリンピックで、ロボットに聖火ランナーをさせたいという。

聖火ランナーを務めさせるプロトタイプとして、神奈川工科大学兵頭教授と共同で二足歩行ロボット「ロボコロ」を創った。

しかしながら、ロボットを街中や道路で走らせる許可が下りなかったという。

そこで岡本代表が目を付けたのが長崎のハウステンボスである。
ハウステンボスは私有地の為、国の許可がいらない。

ハウステンボスで二足歩行ロボットを動かした時、多くのお客様の驚いた顔や喜んでいる顔を見て、とても嬉しかった。

その反面、ロボットが活躍できる環境が少ない事に不安を感じたという。

岡本代表が創っているロボットをはじめ、ロボットは意味があって生まれてくるが、ロボットを利用する側が生まれた意味を理解していなかったり、使い方を間違ってしまっていたりするとロボット全体の価値が落ちる。

介護・サービス・製造など、これから様々な分野にロボットが導入されていく未来、ロボットの生まれた意味を理解して、順序立ててロボットを創ってほしいという。

少しずつでもロボットを開発する企業や人が増えれば、基盤が整い、ロボットが活躍する環境が広がっていくと信じている。

居住空間にロボットがいる日常を

岡本代表は一家に一台ロボットが普及することを目標にしている。

そのためには、世の中にもっとロボットという存在を認知してもらい、身近に感じてもらう必要がある。

そのため、イベントの露出を増やしていきたいという。

イベントで露出し続ける事で、まずはロボットがどういうものか知ってもらい、ロボットについて悪い印象を持っている人のイメージを払拭したい。

また、年末の風物詩である紅白歌合戦に、開発したプリメイドAIを出場させたい。TV等のメディアの露出も多い岡本代表は、これからどんどんロボットがメディアに露出すると感じているという。

いまはまだロボットは新規性のあるものだが、数年後にはスマートフォンのように、あって当たり前のものになっていると考えている。

なお、一家に一台ロボットが普及する中で、ロボットが人型である必要は無いという。
その家、人の要望を満たす事ができるロボットであれば人型・卓上型・車輪型などなど、
形にこだわる必要は無い。

人とコミュニケーションを取るロボットは人型、調理などを補助するロボットは卓上型、物を運ぶロボットは車輪型など、用途に合わせた姿形で良いという。

ロボットゆうえんちでは、一家に一台ロボットを普及させる為、現在「MANOI」の次世代機を開発しており、来年度販売予定。

価格は低コストに抑えつつ、仕様はより良いものにバージョンアップ、一般家庭に普及させていく。

岡本代表は、自身と同じようにロボットに興味を持つ人々をイベントや開発したロボットを通してこれからも増やしていく。