【小惑星探査×ロボット】不思議なブラシで駆動するユニークな小惑星探査ロボット

プロフィール

吉田和哉

東北大学 大学院 工学研究科・工学部
航空宇宙工学専攻 宇宙システム講座
宇宙探査工学分野 教授

1984年、東京工業大学工学部卒業。
1886年、同大学院工学研究科修士課程を修了し、東京工業大学助手、マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、1995年より東北大学へ。
2003年より現職。研究分野は、宇宙ロボット工学、ロボットのダイナミクスと制御、探査工学、超小型衛星の開発。
1998年より国際宇宙大学の客員教員として、国際的な宇宙工学教育にも貢献している。
 
 

3年半の宇宙航行で“はやぶさ2”は小惑星リュウグウに到着

宇宙探査ロボット研究の第一人者である吉田氏。
今回話してくれたロボットは、2014年12月にJAXAが種子島宇宙センターから打ち上げた、小惑星探査機はやぶさ2に搭載されている、小型探査ロボットの“ミネルバⅡ-2(MINERVA-Ⅱ-2)”だ。

ご存じの方も多いと思うが、はやぶさ2は小惑星イトカワから奇跡の生還を果たしたはやぶさ初号機(以降、はやぶさ1)の後継機である。
地球から総飛行距離32億キロにおよぶ長旅を経て、2018年6月下旬に小惑星リュウグウに到着した。
2018年9月21日に最初の小型探査ロボットがリュウグウに投下された。
リュウグウの調査では、太陽系の誕生と生命誕生の秘密に迫れる可能性があり、世界中の科学者が、歴史的な発見があるのではないかと期待を寄せている。
(c)JAXA

小型探査ロボット“ミネルバⅡ-2”開発までの道のり

「2014年に造ったロボットなので、だいぶ昔のことですが・・・」と微笑みながら、吉田氏は話しはじめた。(以降、吉田氏の言葉)

「はやぶさ」プロジェクトはJAXAの中でも、神奈川県相模原市にある宇宙科学研究所(以降、宇宙研)が中心となり研究開発が進められてきたものです。
宇宙研は昔から新しい技術を造る工学(エンジニアリング)ミッションと、宇宙空間を観測し探査する理学(サイエンス)ミッションの二つの活動が両輪となり、日本の科学衛星や探査機の開発・運用を牽引してきました。

小型探査ロボット“ミネルバⅡ-2”の開発の経緯は、はやぶさ1のプロジェクト開発の時代まで遡ります。
はやぶさ1は、新しい技術を造る「工学衛星」として開発されました。
その最大のミッションは、未知の小惑星を訪ねて行って、そこから岩石のサンプルを取って無事に地球に持ち帰る、サンプルリターンと呼ばれる技術を開発し、実証することでした。
サンプルリターン技術が確立された暁には、よりサイエンスにフォーカスした「理学衛星」を開発して、様々な小惑星を次々に探査することができるようになるということが、当初からのシナリオでした。

2003年5月にはやぶさ1は地球を出発し、2005年9月に小惑星イトカワに到着し、同年11月にはイトカワ表面へのタッチダウンを行い、岩石のサンプルを採集することに挑戦しました。
その後、エンジントラブルなど様々な困難に見舞われましたが、2010年6月にイトカワのサンプルを格納したカプセルを、無事地球に帰還させることが出来ました。
その実績が認められ、正式にはやぶさ2の予算が付き、プロジェクトが始動したのです。

私は、はやぶさ1のプロジェクトで、サンプルを採集する戦略と機器の開発に携わっていました。
その結果として、粒は小さいですが1,000個以上の岩石の破片のサンプルを取ってくることに成功したのです。

さらに、はやぶさ1にはミネルバと名付けられた小型の探査ロボットが搭載されていました。はやぶさ本体から切り離されイトカワの表面に着陸する予定でしたが、残念ながらイトカワの表面に到達することができませんでした。

はやぶさ2の開発が始まったとき、ミネルバの再挑戦を行うべくミネルバⅡについても検討が始まりました。そもそも「はやぶさ」プロジェクトはJAXA宇宙研が中心となり、日本全国の研究者が集まるALL JAPANの体制で臨んできたわけですが、その流れを引き継いで更にすそ野を広げるために、私は、大学の研究者の知恵と技術とアイディアを広く取り入れて小型探査ロボットのミネルバを開発することを提案し、ミネルバⅡ-1をJAXAが開発し、ミネルバⅡ-2を大学コンソーシアムが開発するという体制が決まりました。
小型探査ロボットを複数準備することは、プロジェクト全体の成果をより大きなものにすることにもなります。
ミネルバⅡ-2については、その後、日本機械学会やロボット学会等を通して研究者達に呼びかけ、最終的に5つの大学が参加することが決まったのです。
(c)JAXA, MINERVA-IIコンソーシアム

小惑星探査の先にある人間・地球・太陽系のヒストリー

今回、はやぶさ2が探査する小惑星リュウグウは、科学者にとって、大変興味深い天体だと言われています。
その理由は、リュウグウを構成する物質にあります。
小惑星は地上からのスペクトル観測に基づき、いくつかのタイプに分類されています。
はやぶさ1が行ったイトカワは典型的な岩石質の小惑星で、石=ストーンという意味でS型と呼ばれています。
そして、今回のリュウグウは、天体を構成している物質に炭素が多く含まれているため、炭素=カーボンの頭文字を取ってC型と呼ばれています。
また、主にニッケルや鉄などの金属で構成されている小惑星も知られており、これらは金属=メタルの頭文字を取ってM型と呼ばれています。
小惑星のタイプはこのようにS型、C型、M型という特徴的な3つと、さらに多くの型に分類されています。

なぜC型が興味深いかというと、地球上の動物も植物も生き物は基本的に炭素で構成されています。そして、人間・地球・太陽系にある炭素がどこからやって来たか、というヒストリーは非常に興味深いわけです。
今回の調査でリュウグウの炭素を調べることによって、人間や地球にある炭素の起源が分かるかもしれないと期待されているのです。

炭素というと黒い炭(すみ)を連想するかもしれません。確かにリュウグウは光の反射率の小さい黒っぽい天体であることが既に確認されていますが、科学者達は炭素原子を骨格とした有機質の分子が発見されることを期待しています。

有機質とは、生物のからだを構成し、生物によって生みだされる物質として定義されています。もしもリュウグウから持ち帰ったサンプルに有機物が含まれていた場合、地球上で知られている有機物と比較することにより、太陽系の炭素や有機物の歴史を紐解き、地上の生物を形作っている有機物はどこからやってきたか、という謎に迫ることができるのです。
(c)東京理科大学,千葉工業大学,東北大学

ミネルバⅠの苦い経験が生かされたミネルバⅡ

はやぶさ2プロジェクトの目的は、リュウグウという天体の近接観測を行い、そのサンプルを地球に持ち帰ることです。
サンプル回収の方法は基本的にはやぶさ1と同じですが、探査機全体が小惑星の表面に向かって降下し、サンプラーホーンと呼ばれる長さ1m位の筒を表面に押し付け、筒の中で高速の弾を発射して表面を砕き、飛び散った岩石のかけら=サンプルを回収します。
小惑星は重力場がとても小さいため、また表面温度も過酷なため、その表面に長時間安定に立ち続けることでさえ容易ではありません。
むしろ、サンプルを回収するその瞬間だけ地表面に着地=タッチし、反動で跳ね上がる=ゴーという、タッチ・アンド・ゴー方式の方が適しているのです。

探査機本体はタッチ・アンド・ゴーしてしまうため、そこに搭載されたカメラや観測機器で、表面の近接撮影や、表面に触れた状態で観測・分析を長時間継続することはできません。

そこで、小型探査ロボットのミネルバの出番となります。
ミネルバは探査機から分離して、小惑星表面に降り立ち、地表面スレスレからカメラで撮影し、小惑星の世界を映しだします。
ミネルバには小惑星表面を弾みながら移動する機能を備えていますので、小惑星表面を移動して、様々な場所で興味深い景色を撮影することが期待されています。

はやぶさ1に搭載していたミネルバⅠが小惑星に着地できなかった原因は、切り離しのタイミングによるものでした。はやぶさ1がイトカワの探査を行っていた時期、地球とはやぶさ1との距離はおよそ3億Kmありました。3億Kmというと想像しにくい大きな値ですが、地球と太陽とお間の平均距離が1.5億Kmですから、その約2倍です。
光の速度=電波の速度でも片道17分、往復34分かかります。
従って、地上から指令のコマンドを送っても探査機に伝わるまで17分間かかり、その結果がわかるまでに更に17分間かかるため、トータルで34分間のタイムラグがありました。
そのため、仮にはやぶさ1がイトカワに下降して表面に近づいたタイミングで、投下指令のシグナルを送っても、ズレが生じてうまくいきません。

当初の計画では、はやぶさ1が小惑星に下降し、下向きの速度の時にミネルバⅠを切り離す予定でしたが、想定よりも降りる速度がやや早かったため、小惑星に近づきすぎてしまいました。
その時、危険を回避する自律制御の機能が作動し、はやぶさ1が上昇に転じたところで、ミネルバ1が切り離されてしまったのです。
イトカワの重力が十分に大きければ、ミネルバⅠはイトカワに引きつけられていったことでしょう。
しかし、重力がとても小さい世界なので、ミネルバⅠはイトカワ表面に落ちることなく、太陽の周りを回る人工惑星になってしまいました。

はやぶさ2では、前回の反省を踏まえて、小型探査ロボットが4台搭載されています。
ミネルバⅡと名付けられた小型探査ロボットが3台と、ヨーロッパのチームが開発したマスコット(MASCOT)1台の合計4台です。

今回は同じような間違いが起こらないよう切り離しのタイミング制御も改善され、探査ロボット4台全てが無事にリュウグウ表面に降り立つことを目指しています。
(c)JAXA, MINERVA-IIコンソーシアム

ミネルバⅡ-2が動く複数の仕掛け

今後、はやぶさ2からミネルバⅡがリュウグウに向って投下されます。
リュウグウの重力はもの凄く小さいので、ゆっくりゆっくり時間をかけて、リュウグウに向かって落ちていきます。
表面に着いた時、スパッと止まってくれれば嬉しいのですが、実際には何度かバウンドして転げ回って少しずつ動きが遅くなり、やがて止まります。

正直言って、どこに止まるかをコントロールすることはできません。
成り行きにまかせるしかないのです。
従って、何度か弾んで転がっているうちに、谷底のような岩の隙間にポコッとハマって動けなくなってしまうというリスクもあります。そこで、ミネルバには自分で跳びあがって移動する仕掛けが施されています。

(c)JAXA, MINERVA-IIコンソーシアム

でも、ミネルバには車輪も手足もないのに、どうやって動くのか不思議ですよね。
実は動く仕掛けは小さなボディの中に隠されているのです。
ミネルバⅡ-1の中には、リアクションホイールと呼ばれる回転円盤(はずみ車)が入っています。
電気モーターでロボット内のはずみ車を回転させると、その反動でロボット全体が転がり始め、岩角などにぶつかれば大きく跳びあがることになります。

一方のミネルバⅡ-2には、4つの大学が考えた4つの新しい移動メカニズムが組み込まれています。そのうちの3つは、ボディの中の重りを動かすことによって、その反動で跳びあがったり、転がったりするという原理のものです。
そして、私たち東北大学チームが考えた方式は、これらとは全く違う原理によるものです。

小惑星の様々な場所を移動して地表面のカメラ撮影をすることがこのロボットのミッションですので、どの向きで止まっても撮影できるように2方向にカメラを設置していいます。
カメラの向きが悪ければ、地球から指令を送りピョコンと跳ねさせて、転がった先で別な角度の写真が撮れます。
このような動きを繰り返して、沢山の写真を撮ることを目標にしていますが、その際に、大ジャンプではなく、ほんの少しだけ移動することができたら、さらによいのではないかと私たちは考えました。

そこで私たちが考えたのは、不思議なブラシ型の駆動装置です。
ブラシに振動を与え、ブラシの角度と振動が噛み合うようにすることで、地表面をスリスリと滑るように動きます。
小惑星は重力が小さいため、ブラシの振動のような小さな力でも十分に役に立つ動きができるであろうと考えています。

この2つのタイプの動く仕掛けをゴルフで例えるならば、最初にご紹介したはずみ車や重りの反動で大きく弾んで移動する仕掛けはドライバーショットに相当し、ブラシでスリスリ移動する仕掛けがパターといった感じです。
この両方を組み合わせることにより、目標とする場所に思い通りに近づくことができるようになるのではないかと思っています。

その他にも、もう一つ私が非常に面白いと思っている仕掛けがあります。
それは山形大学が開発したバネを使って跳び跳ねる仕掛なのですが、そこに使われているバネが面白いのです。
そのバネはバイメタルと呼ばれる金属を使用しており、温度変化で形状が変化して動くのです。

バイメタルとは、熱膨張率が違う二種類の金属の帯を貼り合わせたもので、常温では直線状の形をしていても、温度が上がるとベコッと大きく屈曲するのです。
このバネの先に重りを付けておくと、バネが大きく変形する瞬間に重りが移動して、ロボット全体がジャンプすることになります。

(c)MINERVA-IIコンソーシアム

リュウグウは7時間30分程の周期で自転しています。
自転の向きがちょうど太陽に直交するため、昼と夜が必ずやってきます。
夜は低温、昼は高温という自然の温度サイクルによって、1自転周期毎に必ず2回、温度が上がる瞬間と下がる瞬間に、バネが変形してミネルバⅡ-2が跳ね上がるのです。
電気や通信が途絶えても、温度変化のサイクルがあれば、この動きは未来永劫続きます。
1000年後も小惑星の上をミネルバⅡ-2が旅を続ける・・・すごくロマンを感じますよね。

未知の可能性を想像し、ロボットを創造する

宇宙探査ロボットの開発では、未知の世界を想像して設計し、様々な状況に対応できるものを開発するという難しさがあります。
特に小惑星は、たとえばイトカワが約500m、リュウグウが約900mというとても小さな天体であるため、どんなに高性能な望遠鏡を使っても地球からは光の点にしか見えません。
その天体がどの様な形をしていて、表面の状態がどうなっているか、行ってみるまで分からないのです。

一方で、この小惑星の形は予想外だったから着地できないとか、この表面の硬さは想定の範囲外だったからサンプル取れませんでした、ということは許されません。
そこで、想像力を最大限に駆使して小惑星の環境を予測し、どんな状況でも必ずミッションを達成する仕掛けや仕組みを考えていく必要があります。
そこには、イマジネーションとクリエイティビティーが求められます。
正直、仕様や要件が明確に定義されているモノを設計する方が何倍も簡単で楽ですが、未知の世界でもうまく動くモノを創りあげていくことに大きなロマンがあり、そこが一番面白いのです。

(c)JAXA, MINERVA-IIコンソーシアム

一方で開発に際して私たちに課せられた制約条件は、とても厳しかったです。
1つ目は重さと大きさの制約。
ミネルバⅡ-2を包むカバーの部分も含めて、全体を1,600gほどで造る必要がありました。
結局ロボット本体は877gとなりました。
2つ目は開発期間の制約です。
ミネルバⅡ-2の大学コンソーシアムが動き始めたのが2012年、具体的な設計が固まってきたのが2013年頃でしたから、実質2年間ほどの短期決戦で開発がすすめられました。
3つ目は開発予算の制約です。
実はJAXAからはミネルバⅡ-2の開発費は一切ありませんでした。
各大学が手弁当で参加し、必要な開発経費を分担しました。

これら3つの制約は宇宙開発ではよくある話だとも言えます。宇宙開発に参加しようと思ったら、強靭な体力と精神力は不可欠なものだといえます。

ミネルバⅡ-2で一番のお気に入りは、先ほども少し話をしたブラシを使った移動装置です。
このブラシの移動装置は、毛を斜めに植えて振動させることでブブブっと前進します。
おもちゃにも採用されている駆動の仕掛けなのですが、みなさんの身近なモノだと、携帯電話を机に置いて振動させた時に移動する原理とほぼ同じです。
このような原理を小惑星探査ロボットの移動に使おうっていうのは、かなり大胆なアイディアだと思いますし、チャームポイントとしても、かわいらしいですよね。

実はこのブラシ、学生が手で植えたハンドメイドなのです。
当初は汎用品を使おうと思ったのですが、理想的な毛の素材、本数、間隔のモノがなかったので、学生が専門家の所に行ってコツを教わり、板に穴を開け、毛の繊維を束ねて接着剤でつけ、最終的には全て手作りで造り上げました。

宇宙探査ロボット研究者 吉田氏の目標

これまで私はロボット技術を使って月や惑星探査をする研究をしてきました。
地球、月や火星のような重力が大きな天体では車輪型のロボットが優れています。
これに対して、重力の大きさが地球の10000分の1程度という微小重力世界である小惑星表面探査では、表面を弾んで転げまわったり、微小振動のアイディアに基づいてミネルバⅡ-2を開発しました。
この次の目標としては、昆虫や蜘蛛のような多脚型の宇宙探査ロボットを造りたいと考えています。

重力が小さい世界でも、転げまわったり飛び跳ねたりしないで、普通に歩いて行くことが出来れば一番いいですよね。
そこで重力が小さい世界で歩くことを想像してみると、歩くというよりも「しがみつき」に近い動きになることが予想できます。
そういう目で見てみると、昆虫も蜘蛛もしがみつきを上手に使っています。
垂直の壁もよじ登ることができ、天井を逆さにへばりついて歩くこともできます。
この動作は重力があっても無くても可能です。
もし重力がなければもっと楽に歩けるようになると思います。

(c)東北大学

また、月や火星のように重力が大きい世界でも崖を登ったり、洞窟に入っていたり、車輪型のロボットでは対応できない領域を自由自在に移動できれば、探査できるエリアは果てしなく広がります。

月や火星にはかつて火山活動があり、溶岩流が山を下り谷を埋めていった結果として、数多くの洞窟や地底トンネルが形成されていたことが、最近明らかにされてきています。
また、月の北極・南極域で永久日陰となっているクレーターの底にはH2Oの氷が存在することが指摘されています。
これらの、まだ探査されていない領域に迫るためには、自由自在に崖の昇り降りができるスパイダーマンのようなロボットが必要になってくるでしょう。
そのようなロボットを開発して、科学的な大発見に貢献していくことが、宇宙工学を志す、私の一番の命題だと考えています。

現在、歩行型のロボットを試作しているのですが、バッテリーなどをすべて搭載すると重さが数 kgを超えてしまいます。
垂直な壁をよじ登るには、力が足りません。
もっとスリムな設計が必要です。
究極の目標としては、本物の昆虫や蜘蛛のように、大きさ数cm、10gくらいの重さで、自由自在にどこでも行くことができるロボットを造りたいと考えています。
これは永遠の課題ですが、挑戦する価値のある目標だと言えます。

(c)東北大学

宇宙探査ロボットの道へ進みたい君へ

宇宙探査ロボットの世界は、この先も果てしなく続いて行くので、これで終わりっていうことはありません。
探査して未知の世界を見に行くと、行けば行くほど新たな疑問が増えてきます。
ここまで見えてきたら、もっとその先を調べたいと、どんどん新しい課題が見えてくるのです。
これは無限に続く挑戦なわけです。

そして、私自身も今新たな挑戦をしています。
これから到来する宇宙探査の黄金時代に向けて、さまざまな分野の人や技術やアイディアを有機的に組み合わせて、新しい価値を生み出していくことが必要だと考えています。

宇宙探査機や宇宙ロボットという、厳しい環境で確実に動くシステムを作るためには、様々な分野の工学技術を噛み合わせ(インテグレート)していく必要があります。
宇宙機の設計には、構造、材料、機構、熱、電気電子、計測、制御、通信などなどの幅広い工学の知識が必要であることを私は学んできました。
しかし工学者だけでは探査ミッションはできません。
未知の世界を探査したいという理学(サイエンス)に対する興味と理解が不可欠です。
しかしそれだけでは、まだ十分とは言えません。
ビジネスの視点、マネジメントの視点、法律の視点、政策の視点、環境の視点、生命の視点などなど、もっと広い視野と経験が必要であると、最近痛感しています。

様々な分野の人たちが連携して、東北大学という一つの強い塊となって、日本の宇宙開発、宇宙探査に貢献できるチームを組織してきたいと考えています。
そして、次の世代、その次の世代へと知恵と技術を伝承できるチームにしたいです。

最後になりますが、次世代の皆さんには、今世界で行われていることを見て、興味を持って、行動していただきたいと思っています。
そして、いつの日か私たちの想像を超えた宇宙探査の技術を開発して、世界の宇宙開発に貢献できる人になってくれたら嬉しいです。


[宇宙ロボット研究室]URL:http://www.astro.mech.tohoku.ac.jp/

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前編:前編【宇宙&ロボット】宇宙少年だった吉田和哉教授が挑む、月面レース世界一への道
後編:後編【宇宙&ロボット】宇宙少年だった吉田和哉教授が挑む、月面レース世界一への道

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紹介 さとう まいこ

ロボット業界は、当たり前ですがロボットにスポットが当たります。しかし生み出す人がいなければ生まれないロボットです。ロボットクリエイターの方々、ロボット業界に携わる方々の素敵な情報をお伝えできればと思います。

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