プロフィール

福永 正人(Fukunaga Masato)
役職:取締役兼東京支社長

株式会社アーテック
幼稚園・学校教材・ロボットプログラミング教材及び
画材・文具・プレミアム・ギフト商品の製造販売業、
各種子ども向け教室のFC事業

中学校で必修化されたプログラミング教材などの
開発・販売・レンタル事業を行うとともに、
教師用の指導書出版事業にも携わる。

http://www.artec-kk.co.jp/

営業マンであり、開発技術者

「ブラックボックスではダメだ。」
営業マンの経験を経た福永氏から教えていただいた。

例えば携帯電話を使う場合、見た目や既存の機能を知っているだけでも使うことはできるが、
携帯電話の構造や動作原理を知っていれば、同じ機能で携帯電話の大きさや重さを変える事ができたり、
新しい機能を付ける事ができたりと、自由に自分好みに創る事もできる。

株式会社アーテックでは、入社から9か月間は営業も技術者も新商品やシステムの開発に携わるという。
9か月間の開発で学んだ知識や経験を基に、入社から一年後には社員一人一人が製品を生み出し、
販促活動まで行う為、社員全員が製品の動作原理や構造を把握している。

また、営業はお客様先でどういった製品が欲しいのかヒアリングを行った後、
自社の開発部隊に情報を共有するだけではなく、
企画・設計・販売など製品がユーザーに届くまでの全ての工程に携わる。

通常、営業は設計などに携わることは少ないが、営業が全ての工程に関わることで他部署の業務を理解し、
一連の作業を学ぶことで制作から販売までのブラックボックスを無くすことが出来、
お客様のニーズに応えることが出来る。

営業が全ての工程に携わることで生まれたサービスが、
アーテックブロックを利用したロボットプログラミング講座である。

ロボットプログラミング講座では個々のレベルに合わせて、
アイコンを並べるだけで操作ができるソフトからScratchベースのブロックを繋げるだけで操作ができる、
ArduinoIDEを用いた高度なプログラミングソフトまで対応している。

営業マンが、こうしてモノづくりの中心にいることで、ロボットの可能性が広がり、需要が増えていく。

「シンプル」だからこその課題

一般的なブロックは構造がシンプルな分、新たな付加価値をつける事が難しい。

そこでアーテックでは開発を行うに当たり、
アーテックブロックによる創作の自由度をもっと高めることはできないかと試行錯誤した。

その結果、縦・横方向だけでなく、斜め方向にも自由にブロック同士を接続できれば、
これまでのブロックでは創作が難しかった立体造形が自在に行えるという結論に至った。

立体創作用の工芸材料から自由に組み替えられる、ロボット工作材料にまで応用できる
まったく新しい構造にアーテックブロックは仕上がった。

ブロックは簡単に壊して組み立てられるという「強味」がある為、イメージしたものを簡単に創りやすい。

幼児期から慣れ親しんだブロックを通じて、何度でも組み換えが可能な制御ロボットの
プログラムを作り上げることで、子供から大人まで誰もが夢中になって楽しめる。

また、アーテックブロックは幼児期の子供が飲み込まないように大きめのLブロックを用意、
形だけではなく色彩の部分でもクリエイティブな考えを持てるように、20色のブロックをも用意している。

その為、組合わせだけでなく色遣いで自己表現も可能となり、
多くの点で物を創る為に必要な想像力、構造の理解などを学んでいくことが出来る。

アーテックブロックはシンプルな構造だからこそ、自在にイメージ通りのロボットを
持たせることができる為、新しい発想で物を創ることができる。

子供たちの明るい未来を創る

今の日本の教育は、たった一つの正解に暗記した内容を当てはめる「暗記方式」が主流だが、
これからの世界の教育の主流は協業の中で複数の解を見つけ出す「課題解決方式」にシフトしていく。

課題解決能力を小さなころから育むため、子供たちにもっとクリエイティブな考えを養ってほしいと考え、
アーテックブロックを使った一連のプログラム作成に着手した。

元々アーテックブロックはロボットにする為に創られたブロックではなく、
アーテックブロックの特徴である「点・線・面」が利用できる事を活かして、
個人のクリエイティブな発想を養う為に創られたものだという。

アーテックブロックは全ての面(6面)に接合できる部分があり、2つのブロックで60通りもの組み合わせが可能。
また、ブロックを3つ4つと増やしていけば、それだけ組み合わせの可能性が広がる。

幼児期の子供たちはアーテックブロックを同じ手順で積み上げていき、
積み上げる途中でブロックを挿す位置を間違える事が多い。

間違えた後、「なんでだろう?」と疑問を持ち、どうしたら上手くいくのだろうと考え、
最初始めた手順ではない方法でブロックを形にしていく。

こうした「トライ&エラー」を経験することで、クリエイティブな考えを養うことができ、
与えられた以上の考え方が出来、世界で活躍できる人材に育つと考えているとのこと。

このような多様な面を持つアーテックブロックを「動作」させて「制御」できれば、
より子供たちに好奇心を持たせることが出来、学習に役立つのではないかと考え、
制御基盤・センサー・サーボモーター・ギアなどと組み合わせてアーテックロボが完成した。

アーテックにおいてのロボットの存在意義

人が持つ創造力を広げる事ができるアーテックブロック。
そのアーテックブロックを使って、個人が創造した物に「動作」「制御」をプラスすることができるアーテックロボ。

アーテックブロックを使ったロボットは創り手の個性によって形や用途が変わるので、
子供・大人・性別に関係なくアーテックロボットを楽しめる。

私たちは作り手のオリジナルな発想で生みだされるアーテックロボに出会えることが楽しみであり、
個性あるアーテックロボを大切にしなければならないと考えている。

アーテックブロックを使ったロボットたちがこれからの社会を担っていく
こども達に良い影響力を与えていく事が楽しみである。
これからアーテックブロックが広まる事で既存の考え方だけではなく、
新しい考え方がどんどん生まれてくる。

福永氏は、将来の日本を背負う子供達が世界でも活躍できるように、
子供のうちから遊びを交えてクリエイティブな考えを自発的に学ぶことができる環境を作り、
「子供」と「教育」の可能性をアーテックブロックを使って、さらに広げていきたいと考えている。

福永氏が考える教育環境を実現させる日はそう遠くはないだろう。